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12番 会津若松城(福島県) [日本100名城めぐり]

南北朝時代、蘆名直盛が陸奥国会津郡に東黒川館という館を築きました。
やがてこの館は黒川城と呼ばれるようになりました。

時は下って桃山時代、天下統一に向けて突き進んでいた豊臣秀吉は、全国の大名に私闘を禁ずる命令を出しましたが、伊達政宗がこれを無視して蘆名氏を滅ぼし、黒川城を奪い取りました。
しかしその翌年、小田原征伐の折に政宗は秀吉に臣従することとなり、黒川城は召し上げられました。
その後秀吉の命で黒川城に入ったのは蒲生氏郷で、城を近世城郭に改修し、城下町を整備したうえで、地名を黒川から若松と改めました。
城の名前も若松城となりましたが、若松城という城は他にもあるので会津若松城と呼ばれます。
また、会津若松城には7重の天守も築かれました。
今日の会津若松の基礎を作った氏郷でしたが、やがて病没しました。
氏郷の墓が城下にあります。
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その後氏郷の嫡男・秀行が跡を継ぎますが、御家騒動が起こったために減封の上、下野国(今の栃木県)に移封になりました。
代わってこの地にやってきたのは、越後国(今の新潟県)の上杉景勝でした。
政宗や、徳川家康など、秀吉にとって信頼できない勢力が東国にひしめいていたため、それらを抑える役目を期待されてのことでした。
そして秀吉が没すると、秀吉の不安通り、家康が天下への野心をあらわにし始めました。
やがて家康と景勝の対立が決定的なものとなり、家康が景勝討伐の兵を挙げると、景勝の腹心・直江兼続と親しい石田三成も挙兵して、関ヶ原の戦いが起こりました。
しかしこの戦いで家康が勝利を収めると、上杉氏は会津の領土を召し上げられ、再び秀行が入封しました。
この秀行の時代に、会津地震が起きて天守が倒壊してしまいました。

江戸時代の初期に、蒲生氏は伊予国(今の愛媛県)に転封となり、代わりに加藤嘉明が入りました。
その子・明成の代には城の改築を行い、倒壊した天守の再建も行いました。
しかし明成は御家騒動によって改易されました。
その後会津若松にやってきたのは、3代将軍・家光の腹違いの弟・保科正之でした。
正之は2代将軍・秀忠の隠し子として育てられていましたが、家光にとても気に入られ、会津藩主として取り立てられました。
そのことを恩に思った正之は、「大君の儀、一心大切に忠勤に励み、他国の例をもって自ら処るべからず。若し二心を懐かば、すなわち、我が子孫にあらず 面々決して従うべからず。」で始まる御家訓15条を残しました。
即ち、自分の子孫であれば何があっても徳川将軍家に対して忠勤を尽くさなければならない、ということです。
保科氏は、正之の息子・正容の代から松平姓を名乗るようになりました。
5代目・容頌の代には、藩校・日新館が設立されました。
今も日新館の天文台の跡が残っています。
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幕末、ペリー艦隊の来航により開国を行うと、攘夷派と開国派で激しい対立が起こるようになりました。
特に、京都では長州系を中心とした尊王攘夷派が暗躍しており、政情不安定な状態になっていました。
そこで幕府は、それらの動きを抑えるために、京都守護職という役職を設け、そこに会津藩主・容保を推挙しました。
当初は固辞した容保でしたが、正之の御家訓を持ち出されるといよいよ断りきれなくなり、京都守護職の座に就きました。
会津藩は大軍を率いて上洛し、浪士集団である新選組なども用いて京都の治安維持に努めました。
しかし、やがて味方であったはずの薩摩藩が長州藩と同盟を組むと形勢は逆転し、ついには大政奉還により江戸幕府は終焉を迎えました。
そして鳥羽・伏見の戦いが勃発して新政府軍に敗れると、会津藩は本国に撤退することになりました。
その後も新政府軍は東進を続け、江戸城を開城させると、仇敵の会津を討伐するために北上を始めました。
会津藩は降伏することも許されず、会津戦争が開戦しました。
板垣退助率いる新政府軍に白河口、二本松を破られ、いよいよ城下に攻め込まれると、会津若松城は女子供老人も総動員して籠城の態勢になりました。
城には連日大量の砲弾が撃ち込まれ、多数の死傷者を出しました。
やがて奥羽越列藩同盟の諸国が降伏すると、ここに来てようやく会津藩も降伏を許され、会津若松城は開城しました。

会津若松城の天守は、新政府軍の砲撃に耐え切り、ボロボロになりながらも傾くことはなかったのですが、明治時代に入って取り壊されてしまいました。
その後は陸軍が駐屯するようになりますが、戦後は競輪場が設置されました。
しばらくすると競輪場は場外に移転され、城を復元しようという動きが高まってきました。
昭和40年には天守が復元されました。
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この天守内の売店に100名城のスタンプがあります。

100名城制覇まで残り32城


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